日帰りポリープ切除
日帰りポリープ切除

大腸ポリープは小さいものは1mm程度のものから2cm程度と大きいものもあります。CT検査では小さいポリープは検出されないことがほとんどです。カメラ検査ではカメラで腸管内を直接見ることができ、かつ拡大しながら詳細を観察できるためポリープの有無や性状(がんかそうでないか)も判断できます。
ポリープにも様々な種類があり、放置すればがん化するものもありますがしないものもあります。またがん化するポリープは大きさに比例してがんも進行していき、10mm以上のポリープはがん化率が上昇すると言われています。
当院では大腸カメラ検査にて発見したポリープはその場で切除可能です。
ポリープが大きい場合には(おおよそ1cm以上)によっては他医療機関へ紹介の上、切除となる可能性もあります。
また、抗凝固薬内服中の方は事前の問診にてお伝えください。必要な休薬期間をお伝えしますので休薬後内視鏡にて切除いたします。
また抗凝固薬の休薬が病気の性質上難しい場合もあります。その場合も他医療機関へご紹介となる場合があります。
ポリープ切除後、ポリープを病理検査に提出しますので2週間ほどの期間をいただき再度外来にて結果説明を行います。
大腸ポリープの治療法は、主に内視鏡による切除が中心です。以下の方法が一般的に用いられています。
ポリープの根元にスネア(ワイヤー)をかけて、高周波電流で焼き切る方法です。主に5~10mm程度のポリープに適応されます。
電流を流さずにスネアで締め付けて切除します。小さめのポリープに用いられます。
10mm以上の大きめや平坦なポリープに対して、生理食塩水をポリープ下に注入して持ち上げ、スネアで切除します。
さらに大きい、または早期がんが疑われる場合に行われる高度な内視鏡治療で、粘膜下層を剥離して病変を一括で切除します。
※当院では行っておりません。
小さなポリープに対して、バイオプシー鉗子でつまみながら電流を流して焼き切る方法です。
大腸ポリープ切除後の主な注意点は以下の通りです。
この期間は出血や穿孔(腸に穴が開く)などの合併症が起こりやすいです。特に術後2~3日目に出血リスクが高まります。
消化の良い食事を選び、硬いものや繊維質の多い食材、脂肪分・香辛料の多いものは避けてください。
食事量は腹八分目を心がけ、急に多く食べないようにしましょう。
水分をしっかり摂り、便秘を防ぐことも大切です。
激しい運動や腹圧のかかる動作(ジョギング、ゴルフ、重い物を持つなど)は術後1週間程度控えてください。ウォーキングやデスクワークは可能です。
入浴は短時間で済ませ、長湯やサウナは避けましょう。術後2日目以降、軽く入浴する程度にとどめてください。
飛行機による移動も術後1週間は避けるのが望ましいとされています。
飲酒は検査当日は避け、翌日からも1日1合程度まで。過度な飲酒は出血リスクを高めます。
※アルコール1合の目安
酒の「1合」は容量で言うと180mlで、日本酒の場合のアルコール度数は約15度です。この量の日本酒1合に含まれる純アルコール量は約21.6gとなります。ほかのアルコール飲料で「1合=約21.6gの純アルコール」と換算される容量は以下の通りです。
| 日本酒 | 1合(180ml) |
|---|---|
| ビール | 中瓶1本(500ml、アルコール度数約5%) |
| ウイスキー | ダブル1杯(60ml、アルコール度数約43%) |
| 焼酎 | 0.6合(約110ml、アルコール度数約25%) |
| ワイン | 約180ml(アルコール度数約12-14%) |
| 缶チューハイ | 約500ml(アルコール度数約5-7%) |
強い腹痛、繰り返す嘔吐、発熱、便器が真っ赤になるほどの出血などがあれば、すぐに医療機関を受診ください。
ポリープが3個以上ある方や、切除したポリープががん化しやすいポリープであった場合は3年以内に1度大腸カメラ検査を行うことが推奨されています。
まず大腸ポリープの定義ですが医学的には「大腸内腔に向かって限局性に隆起する病変で、組織学的には良悪性を問わない」とされています。つまり大腸の中にあるできものは基本的にはがんでもがんでなくともポリープと呼ぶと定義されていますが、患者様に説明するときは良性を「大腸ポリープ」、悪性(つまりがんです)を「大腸がん」と呼んでいます。
大腸ポリープにはその性質上、腺腫性ポリープ(管状腺腫、絨毛腺腫、管状絨毛腺腫、鋸歯状腺腫)、炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープ、間質性ポリープ、などに分けられます。この中でも腺腫は大腸がんに進行するリスクがあります。腺腫のがん化は一般に、大きさ、異形度、絨毛成分の比率に関連しているとされていますが、特に大きさが最も重要視されています。つまり腺腫性ポリープは大きくなればなるほどがんの可能性が増えていくということです。
大腸ポリープの発生自体を完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げるために以下の生活習慣が推奨されています。
ウォーキングやジョギングなど、日常的な運動を心がけることで腸の健康を維持
喫煙や過度な飲酒は大腸ポリープや大腸がんのリスクを高めるため控えることが重要
ヨーグルトや発酵食品の摂取で善玉菌を増やし、腸内環境を整える
大腸ポリープは初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、定期的な検査によって早期発見することが、大腸がん予防の重要なポイントとなります。
ポリープは無症状のまま進行することが多く、放置すると大腸がんへ進展する可能性があります。内視鏡検査で早期に発見し、その場で切除することでがん化を防ぐことができます。
健康診断で行われる便潜血検査も、無症状のポリープを発見する手がかりとなります。
40歳を過ぎたら、5年に一度は大腸内視鏡検査を受けることが推奨されています。家族歴やリスク因子がある場合は、さらに早い時期や頻回の検査が望ましいです。
当院では内視鏡検査を行いつつ、切除する必要があるポリープがあった場合にはその場でポリープを切除します。大きさによりますが、大きめのポリープ(1cm程度)は切除後、出血や穿孔のリスクが上昇するため、専門医療機関へご紹介し後日ポリープ切除とさせていただくことがございます。ポリープ切除自体は全く痛みを感じることはありません。ポリープ切除後の注意点がありますので上記に記載してある注意点を遵守してください。
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