お腹が張る原因

原因としては以下のようなことが考えられます。

食べすぎ、早食い、炭酸飲料の摂取や食事中の空気の飲み込み（呑気症）などによる腸内ガスの増加

上記は食事中に多くの空気を飲み込んでしまう原因となります。そのため胃や腸に空気が溜まることで膨満感や不快感を引き起こします。炭酸飲料は炭酸ガスが直接胃腸内へ入り込むため腹部が張った感じになります。早食いは空気も一緒に胃内へ送り込み、食べ過ぎも消化不良や腸内の異常発酵でガスが増える要因となります。

便秘による腸内の便滞留とガス排出障害

便秘は便が腸内に長時間滞留することにより、その分解過程で腸内細菌がガスを多く発生し腹部暴慢を引き起こします。また便が止まることにより物理的にお腹が張った状態となることもあります。便秘が慢性化するとさらに腸の運動機能が低下し便やガスの排出が悪くなり膨満感や腹痛が出現します。

過敏性腸症候群（過敏性腸症候群のページ参照）

腸が過敏となり腸蠕動運動に異常が起こり、ガスや腸内容物の移動が乱れるためガスが溜まりやすくなり膨満感を引き起こします。

胃腸疾患（機能性ディスペプシア、胃がん、大腸がん、炎症性腸疾患など）

機能性ディスペプシアでは胃の運動機能の低下により、食べ物やガスが胃内に長時間滞留することにより腹部膨満感を生じます。正常な胃は食べ物を食べると弛緩し容量を増やそうとしますが、機能性ディスペプシアの場合には弛緩がうまくできず、少し食べ物が入っただけで膨満感を感じるようになります。
胃がんや大腸がん、炎症性腸疾患はがんや炎症により物理的に食物や便が通る道が細くなってしまうため、ものの通過が滞り腹部膨満の原因となります。

ホルモン関連（月経前症候群、妊娠初期）やストレス

ストレスは自律神経のバランスを乱し、胃腸の運動機能や消化機能を低下させます。これにより消化管内にガスが溜まりやすくなり、腹部膨満感が生じます。
ストレスや緊張により無意識に空気を飲み込む「呑気症」になりやすく、これも胃腸内ガスの増加に繋がります。
ホルモン変動（特に女性の月経周期にともなうエストロゲンやプロゲステロンの変化）は腸の運動機能に影響し、便秘や過敏性腸症候群のような症状を悪化させ、膨満感を引き起こすことがあります。

検査法

問診や身体診察にてお腹に実際にガスが溜まっている状態かどうか確認します。
またレントゲン検査も行い現在どのくらい、どこの臓器にガス、もしくは便が溜まっているか確認します。原因が特定できれば、その原因に対する治療を行います。身体所見やレントゲン検査などで原因が特定できない場合には内視鏡検査にて胃や大腸に他の疾患がないかどうかを確認します。