消化器内科
消化器内科

消化器とは食物を摂取し体の中で食物を分解・吸収し体のエネルギーを蓄えたり作り出す臓器です。
口から入った食物は食道を通り胃、小腸で分解吸収され大腸にて便を形成し排出します。このような食物の通り道となる一連の通路を消化器の中でも消化管(管のような消化器の臓器)と言います。また、吸収した栄養分を蓄えたり食物を溶かす液体を出す臓器が肝臓や胆嚢、膵臓といった実質臓器(管ではなく形のある臓器)となります。
消化器内科では主にそういった臓器を調べ異常があれば治療を行う科です。
消化器は体の中でも多くの割合を占める臓器です。そのため病気も多種多様となります。そのような臓器の機能を失うことがあれば生活の質を落とすこととなります。
消化管であれば内視鏡を用い「がん」の元となるポリープを切除したり、出血をきたしているような病気があれば内視鏡にて止血を行います。
また肝臓や胆嚢といった内視鏡では観察できない臓器は超音波検査やCT検査で異常がないか調べ内服にて治療を行えるものであれば治療を行います。
ほんの些細な症状であったとしても放置すれば大きな損害を被ることがあるのが消化器疾患です。
消化器のお悩みごとがある方はどんなお悩みでも結構ですので一度ご来院ください。
当院では消化器疾患の診断、治療に特化した検査機器を取り揃えております。
消化器症状に合わせて必要なレントゲンや超音波検査、内視鏡検査を行えます。
また胃炎の原因となるピロリ菌の有無を呼気にて調べられる検査機器があり、当日検査可能です。
診察は消化器病専門医の院長が行います。消化器全般の疾患はもちろんのこと、内科疾患も対応しております。
内視鏡検査に関しては鎮静剤を使用し行いますので苦痛を最小限にして行うことができます。苦痛を伴う検査は誰でも嫌なものです。可能なら寝ている間に終わっていてほしいという方が多いのではないでしょうか。内視鏡検査は鎮静剤も複数ご用意しており使用可能ですので、鎮静具合に合わせて使用していきます。大腸カメラに関してはお腹の中に空気を送り込まずに挿入する無送気軸保持法で挿入しますので鎮静剤も併用して行うことでさらに楽に検査を受けることができます。
些細な症状で病院へ行くほどでもないと気にされている方など、遠慮なくご相談いただけるよう努めていきます。
食道は、口から入った食べ物や飲み物をぜん動運動によって胃へと送り届ける長さ約25cmの管状の臓器です。食べ物が逆流しないように胃と食道の間に「弁」が備わっています。通常はスムーズに通過しますが、胃酸が逆流したりすると、胸やけやつかえ感などの症状を起こします。
胃は上腹部に位置し、食べ物を一時的にためて消化液(胃酸や消化酵素)で細かく分解する袋状の臓器です。内部は粘膜で覆われ、強い酸から守られています。胃はぜん動運動によって食べ物をかき混ぜ、粥状にして小腸へ送ります。胃炎や胃潰瘍、胃がん、ピロリ菌感染などは胃に起こる代表的な病気です。
これらの疾患の早期発見・治療のためには、定期的な胃カメラ検査が重要です。
小腸は全長6〜7メートルと最も長い消化管で、十二指腸・空腸・回腸に分かれます。胃で分解された食べ物をさらに消化酵素で分解し、栄養や水分を吸収する重要な役割を担います。十二指腸は胃の幽門部(胃の出口)からC字状にTreitz靭帯(トライツじんたい)に至る長さ25〜30cmの管腔臓器です。小腸の粘膜は絨毛(じゅうもう)という細かい突起で覆われており、効率的に吸収できるようになっています。炎症性腸疾患や吸収不良症候群などが代表的な病気です。
大腸は個人差がありますが、全長1.5メートルほどで、小腸から送られた食べ物の残りかすから水分を吸収し、便を形成して肛門から排出する役割があります。大腸は口側から順に、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸に分けられます。大腸ポリープや大腸がん、便秘や下痢、憩室症などは大腸に多くみられる病気です。
肝臓は右季肋部(右上腹部)にある体で最も大きな臓器で、重量は1.2〜1.5kg程度で体重の約2%を占めます。栄養の代謝・解毒・胆汁の産生など多彩な働きを担います。食事から得た糖や脂肪、タンパク質を体に必要な形に変換し、有害物質を分解します。さらに、脂肪の消化を助ける胆汁を作り胆のうへ送ります。脂肪肝・肝炎・肝硬変・肝細胞がんなどは肝臓に起こる主な病気です。
何らかの原因によって肝細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊されてしまう病態のことをいいます。肝機能障害が起きると肝細胞に含まれるASTやALTという酵素が血液中に漏れ出るため、血液検査の項目で異常として発見されます。原因には、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、薬物性肝障害、自己免疫性肝炎があります。数値に異常があった場合は、生活習慣の改善に取り組み、悪化を防ぐことが重要です。
B型肝炎とC型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで肝臓に炎症を起こすウイルス感染症です。感染すると急性の症状で自然に治る場合もありますが、一部は慢性化し、長い年月をかけて肝硬変や肝がんに進行することがあります。B型肝炎は母子感染や性交渉、血液を介して広がり、C型肝炎は輸血、刺青、医療従事者の針刺事故で感染することが多いです。近年は有効な薬が開発され、C型肝炎は飲み薬での根治が可能となり、B型肝炎も抗ウイルス薬で進行を抑えることができます。健診で肝機能異常を指摘された方や感染リスクがある方は、早めの検査を受けることが大切です。
肝硬変は慢性肝疾患(B型肝炎やC型肝炎の肝炎ウイルス、脂肪肝、アルコール性肝障害など)において肝臓に線維組織が増加し、肝臓が硬くなる病気です。日本の患者数は30万人以上と推定されます。身体症状がない代償期と症状が現れる非代償期があり、非代償期では黄疸や腹水・浮腫、食道静脈瘤の破裂(吐血)、肝性脳症といった合併症が現れてきます。肝硬変の治療は進行抑制、発がんの抑制、合併症の予防、治療で、根治術は肝移植のみとなります。
胆のうは肝臓の下にある小さな袋状の臓器で、長さ8〜10cm、容積約50mL程度です。肝臓で作られた胆汁を一時的にため、食事のときに十二指腸へ送り出します。胆汁は脂肪を消化するために不可欠です。胆石症や胆のう炎など、胆のうに結石や炎症が起こると右上腹部の痛みや発熱を生じることがあります。
一般的に胆のうの中に結石が出来る胆のう結石を胆石と呼んでいます。普段は無症状ですが、胆のうの出口に胆石が嵌頓(詰まること)すると、右季肋部(右の肋の下あたり)を中心とした激しい痛みがでます。主に食後に発症することが多いです。検診のエコー検査で偶然見つかることが多く、無症状の場合には経過を観察することもあります。
胆のう炎は、胆のうに炎症を起こす病気です。多くは急に右上腹部に強い痛みが続く「急性胆のう炎」として発症し、発熱や吐き気を伴うこともあります。胆のう炎を発症する患者の95%に胆石が見られますが、まれに石がない「無石胆のう炎」でも起こり、手術後や重い病気のときに発生しやすく重症化しやすい特徴があります。強いお腹の痛みや発熱がある場合は早めの受診が大切です。
膵臓は胃の後ろにある細長い臓器(長さ15cm、厚さ約2cm)で、消化酵素分泌とホルモン分泌の二つの働きを持っています。消化酵素を分泌して脂肪やタンパク質を分解し、小腸での消化吸収を助けます。また、血糖値を調整するインスリンやグルカゴンといったホルモンも産生します。膵炎や膵がんは膵臓に関わる代表的な病気です。
膵液に含まれる消化酵素により、自らの膵臓を消化してしまう病態が急性膵炎です。日本における急性膵炎の原因として最も多い(35%)のがアルコール性膵炎です。次いで胆石が膵管の出口を塞ぐことにより膵臓に炎症が起こる胆石性膵炎(25%)があります。日本での年間患者数は推定約78000人とされ一貫して増加傾向にあります。その中でも重症例は約20%にものぼります。55歳以上では重症化しやすい傾向にあり、男性に多く発症します。症状としては上腹部や背中の激しい痛み(初発症状の95%)、嘔吐、発熱を認めます。軽症例では、安静・絶食・点滴管理が基本となります。重症例では集中治療と全身管理が必要となるケースもあります。
膵臓がんは特徴的な症状がなく、早期発見が難しいがんの一つです。初発症状は腹部違和感や食欲不振、体重減少といった他の疾患でも起こるような症状が多いといえます。病気が進むと、胃部不快感、腹痛、腰背部痛、黄疸などがみられます。膵がんは近年増加傾向で年間死亡者数約40000人(2023年)となりこの30年間で約3倍に増加しています。膵臓がんの危険因子としては喫煙・大量飲酒・膵嚢胞・糖尿病・慢性膵炎・膵臓がんの家族歴、肥満などが挙げられます。
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